近年、クラウドサービスの普及につれてSSOの需要が増えています。
今回はSSOについて、わかりやすくご説明したいとおもいます。
SSOとは
名称について
略称
SSOとは
- Single
- Sign
- On
「Single Sign-On」の頭文字をとった略字です。
意味
「シングル」と「サインオン」を組み合わせた造語で、意訳すると「一回のユーザー認証」のような感じでしょうか。なお、サインオンは「サインイン」や「ログイン」「ログオン」と同義だと思っていただいて大丈夫です。
読み方
社会的には、そのまま「エスエスオー」や「シングルサインオン」が一般的な読み方です。
SSOのイメージ
例えるなら、
- 「家ごとに鍵を使い分けて解錠する必要があった」ものが、
- 「特定の扉で解錠すれば家での解錠を省略できる」ようになる。
といったイメージです。具体的には「サービスA」「サービスB」「サービスC」が存在したとして、
- サービスごとに必要なアカウント情報(ID・パスワード)が、
- SSOでサインインすれば各サービスでのサインインを省略できる。
SSOの歴史
社内ネットワークにおけるSSO
もともと、SSOは社内ネットワークへのサインインを目的としていました。これは、業務に用いるシステムが社内ネットワークで完結していたという時代背景によるものです。
インターネットにおけるSSO
近年のクラウドサービスの普及につれて、クラウドサービスに対応したSSOが増加し再度注目されるようになりました。
SSOのメリデメ
SSOのメリット・デメリットを比較してみます。
SSOのメリット
SSOのメリットを、利用側と管理側のユーザー視点で整理してみました。
管理側のユーザー
管理業務の負荷低減
情報システム部門や担当者が対応する、一般ユーザーのパスワード忘れやパスワードロックの対応などの管理労力が低減します。
セキュリティ強化
SSOのシステムはセキュリティ機能が充実しているものが多いため、セキュリティ強化にも期待ができます。
また、監視対象が絞れることもメリットです。もしアカウント情報が漏洩してしまった場合も、SSOで一元的な制御(全てのシステムやサービスへのアクセスを遮断)が可能になります。
SSOのデメリット
SSOのデメリットを整理してみました。
- システムやサービスによってはSSO連携が不可
- SSOのシステム・サービスがダウンしてしまった場合、他のシステム・サービスにもアクセス不可となってしまう
- SSOのアカウント情報が漏洩してしまった場合、他のシステム・サービスにもアクセス可能となってしまう
などが挙げられます。
SSOの仕組み
IdPとは
SSOの認証は「IdP」(IDプロバイダ、アイデンティティ・プロバイダ)と呼ばれる専用のシステム・サービスが担当することが主流です。
有名なIdP
国外・国内の観点で、二つの例をご紹介します。
身近なIdP
一般ユーザーにとって身近なのは、大手のクラウドサービス自身がIdPを兼ねるケースかもしれません。例えば、Googleアカウントを使って別のクラウドサービスにログインできるケースです。
国外・国内の観点で、二つの例をご紹介します。
自社で構築するIdP
自社のオンプレミス環境にOSSを構築するなどして、自社でIdPを運営することも可能です。
OSSのIdPを二つご紹介します。
Keycloak
JBoss(Javaによるオープンソースソフトウェア開発コミュニティ)が開発するIdPです。
https://github.com/keycloak/keycloak
OpenAM
発祥はSun Microsystems社のIdPです。
https://github.com/openam-jp/openam/
まとめ
SSOについてご理解いただけたでしょうか。
要点をまとめると、
- ID・パスワードのアカウント情報を統合できる
- 一般ユーザーなどの利用者の利便性が向上される
- 情報システム部門や担当者などの運営側の業務負荷が低減される
- セキュリティ面の強化を期待できる
となります。