サーバー統合とは?3つの種類とメリットデメリットを紹介

乱立しているサーバーの管理を集約することを、「サーバー統合」と言います。

この記事では、「『サーバー統合』って何?」「どんな種類やメリットがあるの?」という方に向けて、「サーバー統合」とは何か、種類やメリットデメリットを解説します。

サーバー統合とは

「サーバー統合」とは、企業の所有するサーバー群が多数乱立してしまっている状況を、集中管理できるようにすることです。英語で「サーバーインテグレーション(Server integration)」と呼ばれます。

ITにおいての「インテグレーション」は複数の異なる要素を統合・融合させ、一つにまとめるような意味を持ちます。

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サーバー統合が必要な背景

1980年代までの企業のシステムは、メインフレーム(汎用コンピュータ)と呼ばれる大型のサーバーに集約されていました。しかし、1990年代以降に入るとサーバー機器が小型化したことや、サーバーを分散させることでシステムを安定稼働させる考え方により、サーバーが乱立してしまう状況が生まれました。

今となっては不要な乱立状態となったサーバー群にかかる管理コストを削減することを目的として、現在はサーバーの統合や集約が進められています。

サーバー統合の種類

サーバーの統合(集約化)は、以下の三種類に分けられます。

  1. 論理的統合
  2. 物理的統合
  3. 合理化

論理的統合とは

「論理的統合」とは、各拠点などに分散して設置されているサーバー群を、専用の管理ソフトや管理プロセスの導入によって、一括管理できるようにすることです。これによって運用・保守の管理コストを削減できます。保有の管理コストはそのままです。

物理的統合とは

「物理的統合」とは、各拠点などに分散して設置されているサーバー群を、本部や特定のデータセンターに物理的に集約し、一括管理できるようにすることです。これによって保有や運用・保守などの管理コストを削減できます。単に、サーバ統合と言われる場合は、この物理的統合を指すことが多いです。

合理化とは

「合理化」とは、前述の論理的統合や物理的統合から、さらに踏み込んだ取り組みで、仮想化技術を用いてサーバー台数を削減することです。これによって保有や運用・保守の管理コストを削減できます。

サーバーの仮想化技術

サーバーの仮想化技術として、サーバーOSの仮想化が挙げられます。

サーバーOSとは

サーバーOSとは、サーバー向けに設計されたOSのことで、大きく2系統に分けられます。

  • Windows系の「Windows Server」
  • Unix系の「Linux」「CentOS」「Ubuntu」など
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物理サーバーとは

仮想化技術を使用しない、1つのサーバー機に対して1つのサーバーOSがインストールされている本来の状態を「物理サーバー」と呼びます。

物理サーバーのイメージ図

仮想サーバーとは

仮想化技術を使用することで、1つのサーバー機に対して複数のサーバーOS(仮想OS)がインストールされて、物理的には1台のサーバーが複数のサーバー機のように振る舞う状態を、前述の物理サーバーに対して「仮想サーバー」と呼びます。

仮想サーバーはホスト型とハイパーバイザー型の2種類に分けられます。

  • ホスト型
  • ハイパーバイザー型
ホスト型とは

1つのサーバー機に1つのOS(ホストOS)を配置し、その上に複数の仮想OS(ゲストOS)で構成する方式です。

仮想サーバー(ホスト型)のイメージ図

ハイパーバイザー型とは

1つのサーバー機に1つの専用ソフト(ハイパーバイザー≒OS)を配置し、その上に複数の仮想OS(ゲストOS)で構成する方式です。

仮想サーバー(ハイパーバイザ型)のイメージ図

コンテナ型とは

サーバーの仮想化技術といえば、前述のホスト型・ハイパーバイザー型(OSレベルの仮想化)が主流でしたが、2010年代後半からはコンテナ型と呼ばれる方式も増えています。

1つのOSに1つの専用ソフトウェア(コンテナエンジン)を配置し、その上に複数の独立した実行環境(コンテナ)で構成する方式です。従来の方式とは違い、実行環境ごとのゲストOSが不要という違いがあります。

仮想サーバー(コンテナー型)のイメージ図

また、物理サーバーはもちろん、仮想サーバーのゲストOSと組み合わせて構築することも可能です。

ホスト型とコンテナー型の組み合わせたイメージ図

サーバー統合のメリット・デメリット

サーバー統合のメリット

サーバー統合の主なメリットはコスト削減です。例えば下記のようなコストを削減できます。

  • 保有のコスト削減
  • 運用のコスト削減
  • 保守のコスト削減

保有のコスト削減

  • 設置場所
  • 電気代
  • 空きサーバー機の再活用

物理的な管理コストを削減できます。

物理的統合ではデータセンターなどの拠点を、合理化ではラックなどのスペースを減らすことができます。
また、それぞれにかかっていた消費電力が減ることで、電気代も節約されます。

サーバー機を統合することで空いたサーバー機を、他の用途で再活用することも可能です。

運用のコスト削減

  • 処理性能の監視
  • ストレージ状況の監視
  • ディスク状況の監視

作業時間や作業者数の人件費を削減できます。

管理するハードウェアを集約することで、監視や運用にかかっていた管理コストを減らすことができます。

保守のコスト削減

  • アップデートやバージョンアップの対応
  • セキュリティパッチの適用
  • SSL証明書の更新
  • 故障時の対応
  • バックアップの取得
  • リカバリやリストアの対応

作業時間や作業者数の人件費を削減できます。

特に、コンテナ型の仮想化の場合はOS自体の数が減ることで、OSレベルのアップデートやバージョンアップの対応、セキュリティパッチの適用などの管理コストを減らすことができます。

サーバー統合のデメリット

サーバー統合のデメリットは、学習コストなどの初期コストがかかります。さらに、OSSを使用せずに有償ソフトウェアで構築する場合は、そのライセンス費用も必要です。

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また、統合後は一極集中することでのリスクが挙げられます。

サーバー機やネットワーク機器に、統合に耐えうる適切なスペックが要求されます。物理的統合を行った場合は、ネットワークが共用されることになり、特定のサーバーにアクセスが集中してトラフィックを占有してしまった場合、その他のサーバーへのアクセスに影響が出てしまう可能性があります。

また、合理化を行った場合は、機器の故障はもちろんのこと、地震などの天災や火災など、物理的な損害を被った時の想定と対策が必要となります。例えば、他拠点のサーバー機にバックアップしたり、ストレージをRAID構成にするなど、冗長性の高い構成にすることでリスクヘッジとなります。

サーバー統合について

「サーバー統合」とは何かについて解説しました。

  • 「サーバー統合」とは企業の所有するサーバー群が多数乱立してしまっている状況を、集中管理できるようにすること。
  • サーバーの統合は「論理的統合」「物理的統合」「合理化」の3種類に分けられる。
  • サーバー統合のメリットは、保有・運用・保守の観点からのコスト削減が挙げられる。

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