WANとLANとは
「WAN」と「LAN」は、インターネット接続に関するネットワークの種類のことです。それぞれの違いについて比較しながら解説していきます。
WANとは
「Wide Area Network」の略で、広範囲のネットワークという意味で、通信業者の保有する回線網を使用して遠く離れているLANを繋ぐネットワークのことです。
WANの接続方法には、物理的に専用回線を作成する方法と、インターネット上に専用回線を作成するVPNを使う方法、電話回線やインターネット回線などの公衆回線を使う方法などの種類があります。
LANとは
「Loacal Area Network」の略で、限られた範囲のネットワークという意味で、家や会社、学校、病院などの一定のエリアでのみ接続できるネットワークのことです。
LANの接続方法にはLANケーブルを使用する有線LANとWi-Fiを使用する無線LANの2種類あります。
WANとLANの違い
通信事業者の有無
WANでは、構築するために通信事業者の保有している回線網を利用する必要があります。そのため、構築には通信事業者のサービスを受ける必要があります。
LANでは、通信事業者の保有している回線網を利用しないため、自由にネットワークを構築することができます。
IPアドレスの種類
ネットワークに接続するデバイスにはIPアドレスというネットワーク上の住所である数字が割り当てられます。
WANでは通信事業者によって重複がない「グローバルIPアドレス」が割り当てられます。
LANでは、LANの範囲内で使う「プライベートIPアドレス」を割り当てます。プライベートIPアドレスは自由に設定することができます。
使用するネットワーク機器
WANでは、通信事業者によって構成の仕方が異なりますが、主にルーターやモデム、ゲートウェイなどのネットワーク機器を使います。
LANでは、ルーターや有線LANケーブル、ハブ、スイッチなどのネットワーク機器を使います。
通信速度
WANは、LANと比べると遠距離であることや、公共のネットワークを利用する場合は混雑や遅延が発生することがあるため、WANの方が通信速度は遅くなります
コスト
WANでは、ネットワーク機器以外にも通信事業者のサービスを受けるため、導入や運用にコストがかかります。特に、専用回線を引く場合は、高額な通信費や設備費がかかります。
LANでは、ネットワーク機器の費用のみで利用料金はかからないため、コストは低いです。
セキュリティリスク
WANでは公衆回線を使うため、不正アクセスやデータ漏えいなどの外部からの攻撃リスクがあります。そのため、ファイアウォールや暗号化などのセキュリティ対策をする必要があります。
LANでは、一定のエリアのみで接続するため、WANよりセキュリティリスクが低いです。しかし、内部からの不正アクセスなどの内部からの攻撃リスクがあります。
社内ネットワークでの使い分け
WANが適している場合
拠点間でネットワーク接続する場合
リアルタイムでデータの共有やオンライン会議をすることができます。
社外から通信する場合
VPNを使うことで、外部からでも社内ネットワークに接続することができます。そのため、フリーWi-Fiから接続する場合やリモートワークする場合に適しています。
LANが活用できる場合
部署ごとに分割する場合
VLANという機能で部署ごとにネットワークの接続を分けることができます。
社内のサーバーにアクセスする場合
社内のサーバーなどの重要なシステムに接続する場合に適しています。
おわりに

WANとLANについて解説いたしました。

